真心をこめて、ひとつひとつ。

瀬戸生花は育てることからはじめました

瀬戸生花では、4月下旬から2月下旬までの間で約90品種を栽培しています。8月お盆用、12月年末用、1,2月咲きのハウス内では電照栽培(*1)をしています。趣味で菊の栽培をされている方のために、菊の育て方やポイントなどを詳しくご紹介します。畑作りで大切な施肥設計(*2)のことなどもぜひご参考にしてみてください。

育て方

菊栽培の基本行程について

 ■苗作り [親株(挿し芽)→挿し木→定植→ピンチ→整枝→開花→収穫]

定植は、一本一本手作業で植えていきます。
ハウスは、15cm×5マスのネットで真ん中以外、4マスに一本づつ植えます。
露地は、20cm×3マスのネットで真ん中以外、2マスに2本づつ植えます。真ん中に植えないのは、光が当たらない、風通りが悪い等で生育が悪くなるためです。

夏菊(4~7月)栽培には、冬至芽という苗を使います。
10月中頃に定植をします。3月初旬頃に株の周りから新芽が出て来たら、最初に植えた株だけをハサミで切取ります。

通常栽培では、挿し木した苗を定植し、10~15日経過したら摘芯(ピンチ)をします。摘芯とは、伸びてきた芽を摘むことによって一つの苗から3~5本出すための作業です。

【整枝作業】菊は葉の根元からそれぞれわき芽が発生し延びてきます。草丈が20cmくらいになったら成長状態の揃った芽(茎)を2、3本残して他を根元から掻き取ります。
【ネット上げ】菊は、草丈が70cmから1mぐらいに伸びるので、倒れないようにネットを2週間隔で上げていきます。
【防除作業】花や葉に虫や病気が出ないように、殺虫剤、殺菌剤、除草剤を定期的に行います。

 ■畑作り [収穫後→後片付け(ネット、支柱外す)→親株を採る→土起し→土壌分析
       →土壌所毒(ハウス)→堆肥投入→元肥投入→土起こし→畝立て→ネット張り,支柱立て]

育てるときのポイント



新しい菊を育てるため、親株から挿し芽をとります。親株は、収穫が終わった株をハウス内に移設するのと、収穫が終わった所からの2パターンがあります。

挿し木はセルトレーを仕様し、一つのトレーに200本を挿します。セルに入れる資材は、バーミキューライトSサイズと自家製もみがら薫炭(くんたん)を配合したものです。清浄効果、保温、保湿、保水の効果があり、発根しやすく腐りにくい点が特性です。約12~15日で発根して定植します。
※寒い時期には、挿し木したトレーを置く時に電熱線をして発根しやすくしています。

品種選びも大切なポイントです。毎年10種ぐらいの新品種を導入しまして、お客様の要望にあった色あい、容姿、花持ちなどを試作しています。ホルモン剤や電照栽培に適した品種を選抜し、花がない端境期を無くす試みをしています。

大切にしていること

■畑作りで重要視していること
収穫後、すぐに土壌分析をして適切な土作り、肥料投入を考えます。ハウス栽培では、1年に1回は必ず土壌消毒をし、良質な堆肥を入れています。化学肥料は極力使用せず、有機肥料を使っています。
露地栽培は、稲作後の田を使い、ワラは全量すきこみます。水田後を使うことにより、土壌消毒をしないですみ、ワラが堆肥代わりになる等、コストダウンや良質な土壌になるメリットがあるのです。
そして2~3年耕作した後、水田に戻しています。


*1 電照栽培・・・菊はもともと短日植物で、日長時間(昼の長さ)がある一定よりも短くなると花を咲かせる性質を持っています。そこで、夜間に圃場内を電照し人工的に日長時間を調節することで、花の咲く時期をコントロールしています。これを電照栽培といい、これらの栽培技術によって周年栽培も可能になりました。電照栽培のメリットは、少ない品種を周年栽培できる、開花調整ができ必要な時期に咲かせることが出来ることです。

*2 施肥設計・・・(瀬戸園芸基準 10a当たり成分kg 窒素-燐酸-カリ)中輪品種 30-25-32 小菊品種 25-22-28  肥料 油粕(5-2-1) 菊用配合(オリジナル肥料)8-5-6-2.5 露地用 ヨウリン(0-20-0)ハウス用 骨粉ペレット(3-18-0)ニトロエース(16-10-14)土壌改良 苦土石灰(10a/100kg)




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